対人関係療法

 

 対人関係療法(IPT)は1970年代にジェラルド・クラークマンとマーナ・ワイスマンによって開発された、主に対人関係に特化した心理療法です。悩みの対象となっている相手に対して具体的に関係性を見直していくことで、ストレスからの解放を目指していきます。

 人の悩みの90%以上は人間関係に付随していると言われています。特に「重要な他者」と言われる関係、親子・夫婦・恋人などとの関係での亀裂・摩擦などは精神的に大きなストレスとなり得ます。そこまで親密な関係ではなくても、友人や職場での人間関係も人によっては大きな負担と感じられる事でしょう。最近ではパワハラ・モラハラ・カスハラなどのハラスメントも、社会問題として目にする機会も多くなってきました。

 それでは、対人関係療法ではどのような事を行うのでしょうか?まず、対人関係療法における視点に「役割期待」というものがあります。人は無意識のうちにも相手に「役割」を与えて期待をするという考え方です。親子関係における役割であったり、男女間における役割であったり、その役割に対する期待がかなえられなった時に不満や怒りが生じます。それが積み重なるうちに、当初は親密であった関係にひびが入ってくるのです。

 対人関係療法におけるカウンセリングでは、相手との関係を客観的に見直していく事で、どのような役割を期待しているのか?それは正当なものか?相手にそれは伝わっているのか?相手は自分にどのような役割を期待しているのか?当初の関係と段々とずれが生じてきていないか?などを丁寧に見ていきます。それだけではなく、自分はなぜそのような役割を期待するのか?その期待度の強さは?など、幼少期も含めて過去の人間関係とも向き合っていく事もあります。
 一人でこのようなことに向かい合おうとしても、自分のことを客観的に見つめることはとても難しい事です。特に感情的に巻き込まれている相手に対しては。さらに感情が強くなって苦しくなる事にもなり兼ねません。カウンセラーと一緒に問題の解決に取り組んでみませんか?

 人間関係での苦しみを抱えている方や、ここに挙げた心理療法、カウンセリングなどにご関心を抱かれましたら、ぜひお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までご相談・お問合わせいただけましたら幸いです。

 あなたの心が癒されますように。

 

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