失恋や別れなど、悲しみや不安で辛い時に。 自分自身を力づけて励ます「コーピング思考」を用いてみましょう。 コーピングとはストレスに対する対処法という意味です。

自分への励ましの言葉を探してみましょう?


ストレスコーピング

 恋人との別れや失恋、離婚など大切な人との別れは誰にとっても苦しく切ないものです。特にアダルトチルドレンや複雑性PTSDなど幼少期や子供の時に辛い経験を長期にわたって受けて心に深い傷を負っている方にとっては言葉では言い表せないくらいに辛く苦しい体験です。中にはリストカットやオーバードーズ(大量服薬)などの自傷行為に走る方も見受けられるくらいです。この問題を解決するには心の深いところを探っていく作業が必要なのですがそれは根気のいる作業で時間もそれなりに要します。そこでここでは、辛さや苦しみなど苦悩が生じた時に少しでも自分を落ち着かせてあげるための方法の一つ「コーピング思考」をご紹介いたします。人との離別以外にも苦悩が生じた時に対処できる方法です。よろしかったらぜひ行ってみてくださいね。

 

●辛い時、苦しい時、人は励ましを必要とします。

 

苦しみをたった一人で乗り越えるのには厳しいものがあります。その代償行為として自傷行為に走るリスクもあります。そのような時、人間は誰かからの励ましの言葉や慰めの言葉をかけてもらうことによって、自分では気づいてないかもしれませんが苦しみが軽くなっていることがあります。しかし、時にはそのように誰かの助けが必要な状況において一人でいることもあるでしょう。そのような時には自分で自分を励ますことが必要になってきます。

 

●コーピング思考を用いてみましょう。

 

人は誰も皆、試練を乗り越えてきた経験があります。たとえ、自分の人生が辛く悲しい事ばかりにしか見えなくても、あなたが今生きているということはその試練を乗り越えてきて現在があるという事です。また、気づいていないかもしれませんが誰から励ましの言葉をかけられているかもしれません。それが、本の中の言葉でもよいのです。信仰をお持ちの方であればその信仰に登場する言葉でももちろんかまいません。そして苦悩を乗り越えてきた状況を思い出してください。そして今、そのことを振り返ってみて感じたことを言葉にしてみてください。それがコーピング思考です。コーピング思考は、あなたが苦悩を乗り越える力がある事を思い出させてくれます。それは強さであり、自尊心にもつながります。

このコーピング思考は苦悩が生じたと気づいた時にはすぐに用いることが有効です。また、その苦悩が予測できた段階で用いることも有効となります。用いるということはこのコーピング思考の言葉を自分自身に語り掛けてあげるということです。このような苦悩はその重さにもよりますが人によっては日常的に起きている方もいるでしょう。そのような方はこのコーピング思考も日常的に使ってみてください。習慣化することによってさらにあなたのコーピング思考は強まるでしょう。

 

●いくつかのコーピング思考のリストをご紹介します。

 

・このような状況はいつまでも続かない。

・これもまたやがて過ぎ去る。

・私にはこの苦しみを乗り越える力がある。

・私には対処する力がある。

・この苦しみは成長への糧だ。

・私は地獄のような中を生き抜いてきた。

・同じような状況での苦しみを乗り越えてきた。

・この苦しみは人間にとって当たり前のものだ。

・チャレンジしたからこその苦しみだ。

・これがどれほどのものだというのだ。

・私は大丈夫。

・神におまかせしよう(何か信仰を持っていれば)。

・私はこの悲しみをしっかりと受け止める。

 

これらの言葉を組み合わせても良いし、ここに挙げたほかにもあなたなりの言葉を作ってみてください。そして、いくつかのコーピング思考の言葉をカードに書いていつも持っていましょう。あるいは部屋に貼っておいてもいいでしょう。その言葉を目にする機会が多ければ多いほどそれがあなたの思考の中に組み込まれていきます。それがあなたの強みになっていきます。

 

●コーピング思考を記録してみましょう。

 

 コーピング思考を用いてみた状況や結果を記録してそれを定期的に目にすることによって、コーピング思考の有効性を客観視することができます。有効性が感じられると益々コーピング思考に頼ることが出来て、結果として自己肯定感のアップにもつながっていくでしょう。

 記録するには紙に表を作って、辛かった状況を書き、次にどのようなコーピング思考を使ったか。その結果としてどのように感じたかを書き留めていくと良いでしょう。例えば、「彼が私から去っていった」→「今はとても辛い。でも私はきっとこの苦しみを乗り越えていける。次の出会いの糧にできる。」→「最初の辛さが10とすると5になった。」などと。

 辛い出来事を紙に書くことは慣れていないと苦しい作業に感じられると思いますが、慣れるにしたがって逆に描くことにより苦しみが軽くなることが感じられるでしょう。

 

●コーピング思考は、あらゆる苦しい状況に対して活用することができます。

 

 苦しみや痛みがすぐに無くなることなどありません。コーピング思考を行ってみた結果として10の苦しみや痛みが7にでもなれば十分に効果があります。0になるなどということはありません。0になったとしたらそれは本当の苦悩ではないのでしょう。本当に大切だと感じている人との別れは辛いものです。それを感じることは人間として当たり前のことです。そして、その経験はあなたが一人で閉じこもらずに行動してきたからこそ与えられたものでもあるのです。ただ、その痛みによって自暴自棄になったり自傷行為に走ったりするのであれば問題となります。そうならないように、そして心の痛みを通してあなたがさらに次のステップに踏み出せるように、人との別れだけではなくあらゆる苦しい状況に対してコーピング思考をぜひ役立てていただきたいと願います。あなたの心が少しでも癒されますように。

 

●最後に

 

ウェッピーカウンセリングルーム日野」では、主に対人関係で苦しんでいる方たちのカウンセリングを行っています。カウンセラーの上原自身も、アダルトチルドレンで苦しみ、それを乗り越えた経験を持ちます。その経験を活かして同じような苦しみを抱えている方たちの気持ちに寄り添いながら、その方に適した心理療法を提供してまいります。ここに挙げた療法もカウンセリングを通して行う事でより効果的に身につけることが出来ます。お一人で苦しまずに、まずは気を楽に持ってご相談いただければと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。ホームページ内にお問合わせ先を明記してありますで、皆様からのご連絡をお待ち申し上げます。