恋人など大切な人が自分から去ってしまったり、もしくは仕事などでミスして責められたりすると人は誰でも自信を失い傷つきます。しかし、時間と共にその傷は癒えて、また次の頑張ろうとか、今回の経験を次に生かそうとか前向きに捉えてまた前進していきます。しかし、なかにはそのことがいつまでも尾を引いてその傷の痛みにいつまでもとどまってしまい、次に進めない人もいます。痛みが大きく長引けばそのままメンタルに支障をきたし、うつになったり、引きこもったりしてしまうことすらあり得ます。もっとひどい状態になると、自傷行為や自殺行為に及んだり、逆に相手に対する恨みが増幅したりして復習してやろうとの考えが生じることも。大げさと思われるかもしれませんが、実際にそれは起こりえるのです。ここでは、自分が傷つくような状況が生じた時にすぐに対処することで、傷が大きく長引くのを防ぐためのカウンセリング療法の一つをご紹介します。それが、自分で自分に、肯定する言葉をかけてあげるという療法です。とてもシンプルな療法ですので、よろしかったらご一読いただいて試してみてください。

 

●なぜ、いつまでも傷ついた感情から抜け出せないのでしょうか？

 

　アダルトチルドレンのように、親が威圧的であったり両親間で争いが絶えなかったりと緊張状態の中で育つと、成長してからも常に他人の顔色を伺うようになります。これは、長期にわたっていじめや虐待を受けた複雑性PTSD（トラウマ）の方にも見られます。彼らは自尊心が健全に育つ機会を奪われてしまっているので、自己肯定感が欠如しています。それなので、自己肯定感が育っている人に比べて、心が傷つきやすくなっているのです。心理学では一般化するという言葉を用いるのですが、一つの恋愛が破局すると自分にはもう恋愛をするチャンスも資格もなく感じてしまったり、仕事で一つのミスを責められたり（注意された）した

だけで、自分はもうこの会社には見捨てられてしまう、などと全てのことにおいてダメ出しを自分にしてしまうのです。そしていつまでもそのことが頭から離れずに苦しみ続けるのです。

 

●なぜ、自分を肯定する言葉をかけてあげることが有効なのでしょうか？

 

　言葉には力があります。多くのスポーツ選手なども試合の直前に自分を肯定する言葉を自分に語り掛けて勇気づけたり奮い立たせたりしています。自分を肯定する言葉とは、自分の中に存在する、自分を大切に想う気持ち、つまり自尊心に働きかける言葉なのです。この自尊心は全ての人の中に存在します。ただ、アダルトチルドレンや複雑性PTSDを抱えた方はそれが深い心の傷によって見えなくなっているのです。自分への、自分を肯定する言葉がけは見えなくなっている自尊心への気づきを促す行為でもあるのです。その気づきが、傷ついた心からの回復を促すのです。

 

●自分を肯定する言葉とはどのような言葉でしょう？

 

以下に、自分を肯定する言葉の例をいくつか挙げます。その人なりに有効な言葉がけは違いがありますので、ご自身がホッと感じる言葉をぜひ考えてみてください。

・私は大切な存在。

・私には生きる価値がある。完璧である必要はない。

・それでも私は自分のことが好きだ。

・それでも、私は必死に生きてきた。私の命は尊い。

・私には失敗を次の糧につなげる力がある。

・私は人間であり、良いところも悪いところもあるがそれでよい。

・私は傷つきやすく繊細だがそれでも必死に生きてきた。

・誰とも比べる必要はない、私の人生は私だけのものだ。

・私は唯一無二の存在だ。私の命には価値がある。

・私には生きる目的が必ずある。

 

●この言葉は、傷ついた時だけでなく日常的にインプットするとさらに有効になります。

 

　自分に語り掛ける肯定する言葉が見つかったら、その言葉を目に付くところに貼っておくのも良いでしょう。お気に入りのイラストと一緒にカードにしてさりげなくデスクの上に置いておくとか。日常的にその言葉を目にすることで、気づかないうちに自分の意識の中に取り込んでいくことになります。自尊心が向上していくと、同じような苦しい状況に出会っても、悲しみを通して成長へとつなげていくなど感じ方や思考が今までと違ってくるでしょう。

 

●最後に

 

 「ウェッピーカウンセリングルーム日野」では、主に対人関係で苦しんでいる方たちのカウンセリングを行っています。カウンセラーの上原自身も、アダルトチルドレンで苦しみ、それを乗り越えた経験を持ちます。その経験を活かして同じような苦しみを抱えている方たちの気持ちに寄り添いながら、その方に適した心理療法を提供してまいります。お一人で苦しまずに、まずは気を楽に持ってご相談いただければと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。ホームページ内にお問合わせ先を明記してありますで、皆様からのご連絡をお待ち申し上げます。