人に対する恐れや怒りの感情が取れない方へー思いやりを用いたマインドフルネス

まずは苦しんでいる自分に思いやりを持って。


思いやりのマインドフルネス
思いやりのマインドフルネス

 威圧的な人に対して恐れを感じたり、責められたり、否定されたと感じて怒りを覚えた時に有効なのがマインドフルネス療法です。マインドフルネスとは一言で表すと、ありのままを受容するという事です。相手の行為も含めて相手そのものを、そして自分が感じたことも、否定も肯定もせずにありのままに感じて受け容れる。そうすることによって、自然とその感情が消えていき、相手との関係性を継続していくことができます。しかし、アダルトチルドレン複雑性PTSD(トラウマ)を抱えた方たちのように、心の根底に深く傷ついた感情が刻み込まれているとマインドフルネスの練習を重ねても、ありのままに感じることが難しい場合が多あります。そのような時に有効なマインドフルネス・スキルの一つに「思いやりを用いたマインドフルネス」があります。よろしかったら、ぜひご一読して、恐れや怒りの感情からの解放に役立てていただけたらと思います。

 

●思いやりの心が、マインドフルネスに有効な理由。

 

 人は誰もが皆、健康な心を持っています。これまでの人生の中で虐待を受けたり、いじめを受けたりして、人が信じられなくなったり人に対する恨みの感情が心の奥深くに根付いてしまって健康な心が隠れて見えなくなっていたとしても、人は生まれながらにして健康な心を持っているのです。それは心の一番深いところに存在します。

 マインドフルネス発祥の源となっている古くからの瞑想では「愛情・誠実・思いやり・尊敬」などの、人としての普遍的な健康な心が重んじられてきました。さらにマインドフルネスでは、「感謝・寛大・優しさ・共感・慈愛」に重きを置きます。その中でも特に慈愛が大切とされ、慈愛とは思いやりという事でもあります。この慈愛の心をマインドフルネスに組み込むことで、相手に対する怒りや恐れの感情を和らげることが出来ます。人や物事をありのままに受け容れることが優しくなります。

 

●どのようにして、思いやりの心をマインドフルネスに組み込むのでしょうか?

 

 あなたの傷ついた心、怒りや恐れを意識してその部分をいたわるように優しく語り掛けてあげましょう。例えば、「私の傷ついた心が癒されますように」、「私が幸せな気持ちで満たされますように」、「私が安全に守られますように」など、自分の中の傷ついた子供に母親の自分が優しく語り掛けるようにイメージしてみましょう。語り掛ける言葉は、あなたがほっとして安心できる言葉を探して試してみてください。そして、自分の気持ちが癒されたら、自分を傷つけた人、恐れた人に対してもその慈愛の気持ちを向けてみるのも良いでしょう。ひょっとしたら相手も何かを恐れていたのかもしれない、苦しかったのかもしれない、などの気づきが与えられるかもしれません。無理にそう思う必要は全くありません。大切なのはありのままを受容するという事です。

 

●マインドフルネスの中で、いろいろな感情が出てくるかもしれません。

 

マインドフルネスを行っていると、あなたの心の奥にあった感情が思いがけず出てくることがあります。その中には悲しみや怒りなどの痛みを伴う感情が混ざっているかもしれません。そのような感情に気づいたら、それを取り払うのではなくそのような自分も含めて優しくいたわってあげてください。それが、あなたの全てを癒すことにつながっていきます。

 

●カウンセリングにおけるマインドフルネス

 

  カウンセリングでは、認知行動療法来談者中心療法などでありのままの自分を知っていくことから始まります。しかし、強い感情に囚われているとそれが難しい場合があります。そこで役立つのがマインドフルネスです。マインドフルネスで良いとか悪いとかの価値判断をすることなくありのままを受け容れる(観察する)ことを体得していきます。カウンセリングの場でマインドフルネスのワークを行い、それを日々の生活の中で実践していただくことによって、ご自分のペースで身につけていくことが出来るようになります。マインドフルネスに関心を持たれたり、恐れや怒りの感情で生きづらさを感じたりされたら、ぜひ一度ウェッピーカウンセリングルーム日野宛までお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。お問合わせ・ご相談は無料です。あなたからのご連絡を心からお待ち申し上げます。あなたの心が少しでも癒されることを願って。