アダルトチルドレンや複雑性PTSDで感情に囚われて苦しい方へ。感情を記録する。

感情の苦しみからの解放を目指して


感情の記録

 アダルトチルドレン複雑性PTSDを抱えた方は、過覚醒といって頭の中が常に研ぎ澄まされた状態になっていて、一人でいる時も誰かの事が思い出されていろいろな感情に囚われて苦しい事があります。これは子供の時に常に緊張を強いられてきたために身につけてきたストレスへの対処法でもあったのです。しかし、それが諸刃の剣となって感情の嵐となって成長してからも自分を苦しめる事にもなっているのです。そのための対処法としてマインドフルネス療法など、様々な対処法がありますがここでは少し面倒でも効果のある「感情を記録する」というカウンセリング療法をご紹介したいと思います。これは、ある意味認知行動療法のベース(基礎)ともなっていますので、感情で頭がぐるぐるして、なかなか囚われから逃れられずに苦しいという方はぜひご一読いただけると幸いです。

 

●感情は複雑に絡み合っています。                                    

 

 例えば、誰かに対して怒りの感情が生じたとします。しかし、その裏には恐れや甘えの感情が潜んでいることが良く見受けらます。プライドが傷つく恐れから自分を守るための怒りであったり、自分の要求を受け入れてもらえない悲しみや恐れが潜んでいたりします。このように、単純に怒りが生じたと思っていても、その感情はいくつもの感情が複雑に絡み合って生じているのです。

 

●頭の中でいくら考えていても、感情の整理は出来ません。

 

 感情に囚われた時に、なんでこんなに気になるのだろうとか、気にしないようにしようとかしてもそれは無理というものです。感情を変えることは出来ないのですから。本来、感情というものはいつまでも続きはしません。ほっておけばそのうちに消えて他の事を考えているでしょう。しかし、アダルトチルドレンや複雑性PTSDを抱えた方などはその感情が強いがために苦しむのです。気にしないようにすればするほど囚われは強くなってしまいます。感情の整理をするどころか、さらにぐるぐる状態になってしまいます。

 

●感情を外在化(記録する)してみましょう。

 

 そこで有効なのが、感情を文字にして起こすことでその感情を外在化するという方法です。多少面倒ですが、なれると逆に面白く感じるかもしれません。紙を用意して以下の順番で書き出してみましょう。参考までに例文も挙げておきます。

 

1.何が起きたのか?

(家に1人でいる時に、パートナー(恋人)と気まずくなった事が思い出されて何も手につかない。)

2.その時に思ったこと。

(パートナーに去られたらどうしよう。見捨てられたらどうしよう。また、一人ぼっちになってしまう。)

3.その時の気分(感情)。

(恐い。悲しい。苦しい。辛い。)

4.身体の感覚。

(胸が締め付けられるようだ。呼吸が苦しい。ドキドキする。)

5.どうしたいか?

(パートナーの機嫌を直させたい。笑顔を向けてほしい。電話したい。会いに行きたい。安心したい。)

6.それを行ったらどうなるだろうか?

(また、同じことの繰り返し。その時は安心しても相手に媚びている自分が嫌になっていく。みじめさ。)

7.それでは、どうする?

(もう少し、間をおいてみる。カウンセリングで挙げたストレスへの対処行動を取ってみる。)

 

 いかがでしょうか?紙に書き出すという事は自分の感情を外に取り出す(外在化)という事でもあります。さらに、それを声に出して読み上げてみるとより客観視できるでしょう。紙に書くという事は自分の感情と向き合うという事でもあるので痛みも生じますが、そのあとにはそれまでのぐるぐる状態から解放されていることに気づくでしょう。

 

●カウンセリングで行う事は何でしょう?

 

 感情を記録すると一言で言っても慣れるには時間を要します。それに強い感情に囚われているとなかなかペンを握る気にもなれないかもしれません。まずは、カウンセリングの場で感情が生じた時のことを話していただき、カウンセラーと共に紙に書き起こしていきます。自分の気持ちがわからないことも多々ありますので、カウンセラーとの対話を通して自分自身の気持ちを探っていきます。そして、生活の場でのワークとしても取り組んでいきます。その記録を、再度カウンセリングで点検していきます。そして、自分の考え方の癖やその奥底に潜んでいるものを探っていくのです。

 

●併せてマインドフルネス療法が有効です。

 

  マインドフルネスは古くからある瞑想法の一種ですが、現在では瞑想の領域を超えて心理療法として確立されています。マインドフルネスの目的は、良いとか悪いとか価値判断せずにありのままを受容することにあります。カウンセリングではマインドフルネスのワークも行い、感情をありのままに記録することをサポートしていきます。感情への囚われは確かに苦しいものでありますが、見方によっては感情からいろいろな気づきを得ることも出来ます。感情に囚われて苦しい方、アダルトチルドレンや複雑性PTSDの障壁を感じられている方、お問い合わせ・ご相談は無料になっておりますので、ぜひ一度お気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野までお問い合わせください。あなたの心が少しでも癒されることを願って。