摂食障害で苦しんでいる方へ向けたカウンセリングのご紹介

摂食障害の要因と弊害、苦しみからの解放に向けて


 摂食障害は、食事に対して、健康的な思考が働かずに過食や拒食、あるいは過食嘔吐(食べ吐き)などの問題行動に依存してしまう症状を指します。この状態を繰り返していると、身体に負担がかかるだけでなく、精神的にも不健全な状態になっていきます。過度な拒食などの場合は、激やせして生命の危機に扮する事さえあります。拒食が改善されたとしても後遺症で身体に障害が残るケースもあります。摂食障害は他の事にも依存しやすい傾向があり、リストカットやオーバードーズ(大量服薬)などの自傷行為、アルコールや処方薬などの依存症などを併発するケースもあります。また、異性への依存も見られるケースもあります。そのような状態になると、現実と妄想の区別がつかなくなり、解離や離人感なども生じていく事があります。摂食障害の要因としては様々なケースが考えられますが、共通してその根にあるのは本当の意味での自尊心の欠如が考えられます。ここでは、摂食障害とその解決に向けたカウンセリングのご紹介をいたします。食べ物の問題で悩まれている方、カウンセリングにご関心のある方は、ぜひご一読いただけたらと思います。

●摂食障害によって生じる障壁とは?

 摂食障害によって、様々な障壁が生じます。栄養失調や栄養過多、内臓機能の損傷、ホルモンバランスを崩すなどの身体的影響や、強迫神経症や依存症、現実との乖離、被害妄想などメンタル的にも病んでいくケースが見られます。また、過食嘔吐などは、吐く時にドーパミンが脳から放出されて快感を得るので嗜癖となって習慣化しやすい傾向があります。脳の中で麻薬を形成しているようなもので、脳に与える影響だけでなく、現実逃避や幸福感の欠如、うつ状態に陥ることもあり得ます。自己憐憫や罪悪感も生じて、何より大切な自尊感情が傷ついていく事になります。

●摂食障害が生じる要因とは?

 摂食障害の要因にも様々なものが考えられますが、以下に主だったところを挙げてみます。

アダルトチルドレン複雑性PTSD愛着障害などのように、厳しい生育環境において傷ついた自尊感情。劣等感など。

●病的なまでに痩せ細った自分や苦しんでいる自分に対して、ある種の優越感を感じる歪んだ自己愛(ナルシズム)。パーソナリティ障害などの可能性も潜んでいる。

●少しでも食事をとると太ってしまうなど、現実離れした強迫的神経症

●摂食を調整する中枢機能の障害。

 また、摂食障害になりやすい人の傾向として、完璧主義や、敵か味方かなど物事を白か黒かに切り分ける白黒思考、人に対するコントロール思考や承認欲求の強さなどが挙げられます。これは皆、自分自身を生きづらくさせている要因でもあるのです。

●摂食障害からの解放に向けたカウンセリング。

 まずは、本人が摂食に対して問題があるという事への認識が大切なのですが、摂食障害のように行動障害の場合は認める事が難しいケースが多いのも事実です。生命にかかわる状態であれば入院治療において強制的に問題行動から遠ざける場合もありますが、根本的治療にはならずに退院したらまた繰り返すというケースがほとんどです。

 問題行動の認識を促す心理療法としては、認知行動療法などで、自分の行動や思考を紙に書き出すことで外在化して、摂食に問題がある事への客観的気づきを促していく方法があります。併せて、交流分析再決断療法スキーマ療法フォーカシング療法で傷ついた自尊感情を癒し、育てていく事が求められます。自尊感情が育っていき、妄想が取り除かれてくると自分が行っていることが客観的に見えてきて、自分からその行為を手放していきたいと感じられるようになります。

●この記事を読まれて関心を持たれましたら、お気軽にお問合わせください。

 カウンセリングでの回復の過程は右肩上がりで良くなるのではなく、行ったり来たりをくり返しながら、段々と良くなっていくのが通常です。それを「ゆらぎ」と呼びます。ゆらぎながら、丁寧に根気よく継続していく事で、無理のない回復を目指します。摂食障害は一つの現象であり、その根底に潜んでいる自分を苦しめている問題に取り組んでいく事が解決の鍵になります。カウンセラーはその道を共に歩んでいく伴走者でもあります。

 この記事を読まれて、関心を持たれましたらお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野までお問合わせいただけたらと思います。あなたの心が癒されますように。