脱力することでパニック発作、PTSD症状をほぐしていくー筋弛緩法とは?

恐怖から生じる身体の緊張を取り除いていく。

筋弛緩法イメージイラスト

●パニック障害や、トラウマとはどのような症状なのでしょう?

パニック障害は、ある特定の状況において不安感が恐怖にまで増大し、動悸や呼吸困難、発汗、震え、眩暈、吐き気などをもよおし(パニック発作)、立っている事さえ困難に陥る障害です。PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、強い恐怖体験がトラウマとなり、その体験を想起させるような状況に遭遇するとフラッシュバック(過去の恐怖体験が現実のように蘇る)を起こし、パニック発作と同じような症状をきたす障害です。

また、パニック障害を発症する要因としては様々なものが考えられますが、不安神経症やトラウマなどのストレス体験も要因として考えられています。PTSDに関しては、強いストレス体験(トラウマ)が要因として挙げられます。また、PTSDの中でも複雑性PTSDと呼ばれるものは、虐待やいじめなど長期に渡る強いストレス体験が複雑に絡み合って生じるもので、事故や暴行、災害などの特定された出来事に対するPTSDに比べて改善が難しいと考えられています。

 パニック障害、PTSD共に共通しているのは「恐怖」という感情です。そしてそれに近い感情として「恐れ・不安」が挙げられます。これらの感情は身体の緊張を伴い筋肉をこわばらせます。不安神経症や強迫神経症の方も同様で常に身体に力が入っているような状態が続きます。

●なぜ、筋弛緩法が有効な療法なのでしょうか?

 筋弛緩法は、意図的に身体の部位に力を入れて(緊張させて)から、ダラーっと力を抜く療法です。普段は自分の身体にどのくらい力が入っているか意識してないので、一度力を入れた方が力を抜きやすいのです。力を抜くことで身体はリラックスします。身体と心は一つにつながっているので、身体がリラックスすることで心にも良い影響を与えるのです。パニック発作やPTSD症状が起きている時に、身体の緊張を解くことで心もリラックスして恐怖感情から脱することが出来るかもしれません。また、パニック状態やPTSDを発症するような予感がした時に防衛的に行うのも良いのではないでしょうか。

●筋弛緩法の行い方。

 筋弛緩法の行い方としては、手・腕・背中・肩・首・顔・腹部・足・全身の順番で、ギューッと力を入れた後にダラーっと力を抜きます。身体を傷めないように70%くらいの力で行うと良いでしょう。力が抜けた後の感じをしばらく味わってみてください。自分が普段どのくらい身体に力が入っているのかがわかるかもしれません。

 この動作を全て、発作時などに冷静に行う事は難しいでしょう。そのような時はどこか身体の動かせる部位で良いので筋弛緩法を試していただけたらと思います。それだけでも、何もせずにただ発作と闘っているよりは効果はあるのではないでしょうか。

 

また、筋弛緩法だけでなくマインドフルネスの呼吸法なども併用していただくとより効果が感じられるかもしれません。これらの両方は緊急時だけでなく、普段からルーチンワークとして生活に取り入れることによって、緊急時にも使えるようになっていきます。筋弛緩法やマインドフルネス療法、またはカウンセリングに関して等、詳しくお知りになりたい方はお気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野・東京までお問合わせください。あなたの心が少しでも癒されますように。