認知行動療法と交流分析・スキーマ療法。
●人からどう思われているか、気になって苦しんでいる方達へ。
LINEの返信が来ない。気分を悪くしたのだろうか?変なことを言ってしまっただろうか?不安(恐怖)で胸が苦しい。時間がたっても気になって仕方ない。気にしないようにしても頭から離れずに、そのような自分を嫌になってしまう。これは一例に過ぎませんが、このような悩みで日々生きづらさを感じている方も多いのではないでしょうか?
その要因はどこにあるのでしょうか。それに対する解決法はあるのでしょうか?正直なところ一人でこの問題に立ち向かっても難しいものがあります。ここでは、当事者として同じ悩みを抱えて生き抜いてきたカウンセラーとしての立場から、その問題の要因から解決への道をご案内させていただきたいと思います。同様の悩みで苦しんでいる方がいらっしゃいましたら是非ご一読いただけたらと思います。
●なぜ人からどう思われているか、気になって仕方ないのか?
アダルトチルドレン(以下ACと称す)と言う言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。ではACとはどのようなことを指すのでしょうか?ACの語源は正確にはAdult Children of Alcoholics:ACoAから来ています。意味的にはアルコール依存症の親を持ち、健全な子供時代を生きることが出来ずに大人になった人達、と言う感じです。現在ではアルコール依存症の親という定義に縛られずに機能不全家族(家庭内において親としての機能や家族間の関係が健全に働いていない家族)の中で育った人たちの事を指すようになりました。
ACの人達は、幼少期から常に精神的な危険にさらされ、親や他の家族の顔色を見て必死に自分を守って生き延びてきました。それが習慣化してしまい、常に人の顔色を見てはどう思われているか、気分を害されていないか、嫌われていないか、など気になって仕方ないのです。これは生き延びるために身につけてきた術なので手放すことは容易なことありません。ACに限らず虐待ともとれる体験を受けてきた人やいじめなどを受けて複雑性PTSDの様相を呈している方なども同様です。また、愛着の問題なども関係していることもあります。
●では、どうすればよいのか?
人からどう思われているか気になる原因は人によって違います。また、その奥深さも人それぞれです。それではどうすればよいのか?ここでは認知行動療法と交流分析やスキーマ療法を通しての対処法を説明したいと思います。認知行動療法では人間関係に囚われた出来事を紙に書き出して、その時の思いや感情を振り返ってみます。その上でカウンセラーとの対話を通して、違う見方や受け取り方を考えてそれに伴う感情や行動なども想像して書き出してみます。それを繰り返し行い続けることで自分を苦しめている認知を修正していきます。
また、それだけでは足りないという方には交流分析やスキーマ療法を併用して、その思考や感情の大元にあるものにアクセスしていきます。これはある程度痛みを伴う作業です。なぜなら、過去に傷ついた体験と再度向き合うのですから。しかし、その痛みをしっかりと感じて癒してあげることが実はとても重要なのです。ただし、これらの療法は自分が今まで蓋をしてきたようなところに触れるのですから、一人では行わずにカウンセラーなどのように知識と経験を踏まえた専門職と一緒に行う事が求められます。認知行動療法の場合は慣れてくるとお一人でも出来るようになりますが、その結果をカウンセラーと一緒に話し合う事でより効果が得られます。
●必要なのは、自分を認めてくれる存在。
認知行動療法や交流分析、スキーマ療法などで自分の内面が癒されてきたり、物の捉え方が変わってきたりしても必要なのは自信です。ここでの自信とは自己肯定感を指します。それでも他者からの評価による自己肯定感では、いつまでたっても人の目や評価を気にすることになります。ここで言う自己肯定感とは自分の内面で感じるものです。そのために必要なのは安心できる存在です。それを自分の中に見出せるのが一番良いのですが(信仰をお持ちの方でしたら神様のような存在)、なかなか難しいところがあります。このような問題は誰かに悩みを打ち明けても、気にしなければいい、どうしてそんなに気になるかわからない、などと突き放されたように言われて(相手はそのつもりはなくても)さらに傷つくことも考えられます。一時、親身に寄り添ってもらえた感があっても相手がそれに応えられなくなった時点で逆に傷は深まってしまいます。
そこで、活用していただきたいのがカウンセラーです。カウンセラーはクライエント(相談者の方)を無条件で肯定する(認める)立場を取ります。カウンセラーはお医者さんや指導者ではないので、こうしなさい、ああしなさい、その考えはダメです、等のようなことは言いません(そのような立場を取るカウンセラーがいたとしたら避けた方がよいでしょう)。カウンセラーはクライエントの回復の道を一緒に歩む伴走者なのです。
●あらためて、人からどう思われているか気になって苦しんでいる方へ。
くり返しになりますが、一人でこの問題に立ち向かってもなかなか解決は難しいのが正直なところです。この苦しみからやがてアルコール依存症へと進行していく方もいます。また、依存物を努力の末に手放すことが出来ても、依存物に逃げることが出来ない分、苦しさはさらに募ることになり依存症が再発することもとても多いのが現実です。
時間はかかるかもしれませんが手寧に根気よく問題から逃げずに向き合っていけばそこには必ず希望の光が見える事でしょう。よろしかったらそのお手伝いをさせていただけたら幸いです。ここに挙げた心理療法はアンダーラインの青文字をクリックしていただくと心理療法のご案内ページにリンクされています。カウンセリングにつきましても、よろしかったら当公式ホームページ(ウェッピーカウンセリングルーム日野・東京)よりお気軽にお問合わせいただけましたら幸いです。あなたの心が少しでも癒されることを願って。