不安障害(不安神経症)におけるカウンセリング

 不安障害は、不安から生じる思考や感情の影響により、仕事も含めて日常生活に支障をきたしている状態を指します。不安障害には、常に不安感に包まれている全般性不安障害や、行動や観念に支配される強迫性障害、場面によって過呼吸になったり眩暈がしたりするなどのパニック発作や広場恐怖症、集団に入る事への恐れが強い社交不安障害など様々な症状が見られます。特に人から責められたり攻撃されたりするかもしれないなどの対人恐怖は、人間関係や社会生活を送る上での大きな障壁となり得ます。これらは一つだけではなく、複数の症状を併せ持つケースも見られます。不安(恐れ)自体は、危険を避けるなど人間が生存していくために必要なものではありますが、それが過剰になると逆に生きる上での障壁と変わっていきます。

 

 不安障害の考えられる要因としては、生まれ持った脳の器質的な問題もあるかもしれませんが、幼少期に養育者から威圧的な態度や、否定、拒否、または虐待と思われる行為を受けたり、過干渉などの行為を受けたりと、安心感や自尊感情などが健全に育っていない状況が考えられます。また、養育者の気分が安定せずにいつ豹変するかわからない場合などは、常に危険と隣り合わせなので、不安が日常化してしまうケースもあります。やはり、養育者が不安症の場合は、家族が巻き込まれるので特に子供は不安障害を受け継いでしまうケースが多く見られます。家族間の影響だけではなく、いじめ被害などに合った場合も同様に対人不信や対人恐怖が生じる場合もあります。不安障害の根底には、アダルトチルドレンや複雑性PTSD、愛着障害などの問題が隠されていないか探る必要があります。

 

 カウンセリングでは、認知行動療法の一環でもあるエクスポージャー法、マインドフルネス療法などを用いて不安に対する適応能力の向上を図る心理療法と、交流分析再決断療法スキーマ療法フォーカシング療法などを活用しての過去の傷つき体験を癒すことにフォーカスする心理療法を、その人に症状や状態に応じて活用していく事で、日常生活に支障をきたさない範囲まで不安が軽減されることを目指します。不安障害は慢性的な生きづらさ、憂鬱感をもたらし人生において大切な幸福感を感じにくくさせる障壁です。不安障害に対するカウンセリングやカウンセリングそのものにご関心を抱かれましたら、お気軽にウェッピーカウンセリングルーム日野までお問合わせ・ご相談ください。

 

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※不安障害とカウンセリング