愛着障害(アタッチメント)におけるカウンセリング

 愛着障害は精神科医のボウルビィが提唱した生きる上での障壁で、主に乳幼児期に母親とのスキンシップや情緒的なふれあいによる健全な愛着(アタッチメント)が形成されないことで生じる障害と言われています。乳幼児期に限らず、幼少期など成長過程においても、この愛着形成は重要でその後の人生に大きく影響を及ぼすことになります。愛着とは言わば自分の中に存在する安全基地のような感覚で、その感覚がしっかり根付いていると自己肯定感が育ち、他者と健全な境界を持って自立した人間としてふるまえるようになります。

 それでは、愛着が健全に形成されずに安全基地の感覚が存在しないと、どのような状態になるのでしょうか?主だったとことを以下に挙げてみます。

●常に漠然とした不安感に包まれている。

●孤独感が強く、人の中にいると疎外感や孤立感に包まれる。

●幸福感を感じにくい。

●他者との間に信頼関係を築くことが難しく、離婚や別れを繰り返しやすくなる。

●一つの職場で長く働くことが苦手で転職を繰り返しやすい。その結果、経済的にも不安定な状態に陥りやすい。

 これらの生きづらさから逃れるためにアルコールや薬物、性などへの依存症に陥りやすく、女性では摂食障害に至るケースも多く見られます。

 また、愛着障害には大きく分けて他者との距離が近づきすぎて境界線があいまいなタイプと、反対に他者との交流を回避するタイプとがあります。人から見たら前者はなれなれしく感じられ、後者は冷たい感じに捉えられるかもしれません。いずれにしてもほどほどな感じであれば、生きることの障壁になりませんが、愛着の問題が著しく傷ついていると、生きること自体が苦しみに感じられ、疲弊していきます。

  では、どのように対処すれば良いのでしょうか?この問題を一人で解決することは難しく、信頼関係を結べるカウンセラーなどと、時間をかけて丁寧に愛着の問題に向き合っていく事が必要になります。愛着形成が傷ついていることにより、人との信頼関係を結ぶこと自体が苦手な方もいらっしゃいますが、ウェッピーカウンセリングルーム日野では、クライエント(相談者)の方の気持ちに寄り添いながら丁寧に信頼関係(ラ・ポール)を結べるように心がけています。カウンセリングでは、認知行動療法交流分析フォーカシング療法などその人に合った心理療法を丁寧に説明しながらクライエント同意の元、丁寧に進めていきます。この問題にご関心を抱かれたり、自分にも愛着の問題があるかもと感じられたりした方がいらっしゃいましたら、どうかお気軽にお問合わせ・ご相談いただけたらと思います。あなたの心が少しでも癒されることを願って。

 

●併せて関連するブログ欄もご参照ください。

※愛着障害とカウンセリング