ナラティブ・セラピー

  ナラティブ・セラピーとはカウンセラーとの語りを通して、クライエント(相談者)が自ら新しい気づきを得ていく心理療法です。今、自分を苦しめている思考は過去のどのような体験が影響しているのか?そしてその思考は現実に添ったものなのか?を語ることを通して見つめていきます。見つめると言いましたが、語ることは問題を自分の内側から取り出す、つまり外在化するという事です。そうすることで、客観視することが可能となり、より気づきを得ることが容易になります。

 

 そして、ナラティブセラピーの語りのストーリーは大きく分けて二つの方向性があります。幼少期など過去における辛く苦しい環境から自分を生き延びさせるために獲得した考えや感情、行動がその後の人生においてどのように影響してきたのか?その思考や観念が自分を苦しめてきたのではないか?そしてその思考や観念から生まれた物語をドミナント・ストーリーと呼びます。そして、そのストーリーが果たして現実に即したものかどうかを、やはり語りを通して点検していき、即してないならばそれに代わるより建設的なストーリーを積み上げていきます。その新しい物語をオルタナティブ・ストーリーと呼びます。

 

 また、ミラクルクエスチョンと言って、奇跡が起きて自分の問題が全て取り払われた時の状態をイメージして語っていただくアプローチもあります。その時の感情がどのようなものかを疑似体験することで、さらに古い思考パターンからより健康的な思考パターンへの脱却を図っていきます。

 

 このように語ることを通して、内面から新しい考え方、そして生き方へと変容を図っていくのがナラティブ・セラピーです。ナラティブ・セラピーは来談者中心療法の考え方の元、認知行動療法弁証法的行動療法再決断療法など心理療法全般に活用できるアプローチです。生きづらさを感じていたり、カウンセリングにご関心を抱かれましたら、ウェッピーカウンセリングルーム日野宛までお気軽にお問合わせ、ご相談ください。